仕上げ抜きプレス加工、微細パターンの追求
このページで紹介するのは、仕上げ抜きのプレス加工で実際に行った0.5mmの直角のジグザク、クランクパターンです。
上写真は透明フィルムを抜いた製品です。
光ってしまい全体は写りませんでしたが、クランク形状の部分は確認できると思います。
紫色矢印の先です。
製品図面です。十字マークの谷部分に0.5mmのクランクがあります。
この製品の横幅は8mmほどなので通常のトムソン型(ビク型)での加工は不可能です。
刃幅0.7mm(または0.45mm)の刃を0.5mmのクランク形状に曲げることができないからです。
プレスを2工程にして、まずは十字形の抜きを行い、そのセンターに3.4mmの正方形を抜けば出来そうに思えますが、0.5mmのクランクパターンを忠実に再現することは難しいでしょう。
やはり1パンチで抜く方法を考えなければなりません。
これだけの微細パターンなのでピナクル型を使います。
これが今回のプレスに使ったピナクルDIEです。
ボールペンの先との比較で、その小ささを確認できると思います。
ピナクル型はエッチング処理で作られているので、これだけの微細パターンでも型はできてしまいます。
しかし、通常のピナクルだと十字マークと外形端面との間の細い部分に折れが発生します。
それを防止するために、このピナクル型は刃先を鋭角に研磨してあります。もちろん特注品です。
0.5mmのクランクという微細パターンがあるピナクル型を用いて行うプレス作業は技術を要しますが、今回の仕事はピナクル型の製造技術の賜物と言えるのではないでしょうか。