レーザー加工機で微細パターンを切り抜く
2015年9月。スリーサプライのプレス加工部門ではレーザー加工機「SUNMAX LT-5030」を導入しました。
レーザー加工機を導入した一番の目的は、お客様から要望の多かった試作品作成時のコスト削減と納期短縮を実現するためです。
レーザー加工機でカットすることで試作品のトムソン型(ビク型)の作成が不要となります。
当然、トムソン型の費用は発生しません。
さらに、データを支給して頂ければ当日にカット加工を行うことが可能です。
仕様変更や寸法変更による2度、3度のトムソン型作成を回避できますのでお客様にとって納期面、コスト面のメリットは大きいと考えます。
レーザー加工機を導入した第二の目的は、微細加工への対応です。
トムソン刃の厚みは0.7mm。薄刃でも0.45mmです。対してレーザー加工機 LT-5030は0.2mmのレーザー光で切っていきます。
そこにレーザーカッターを使う意味があるのです。
上写真はPETフィルムに小さな四角穴と丸穴をレーザー加工で開けたものです。
四角穴は左から1.2mm□、1.0mm□、0.8mm□、0.6mm□、0.4mm□と並んでいます。
丸穴も同じく左から∮1.2mm、∮1.0mm、∮0.8mm、∮0.6mm、∮0.4mmです。
丸穴の場合、∮0.2mmも可能です。(フィルムの厚みや材質により不可能な場合もあります)
そして上の両面テープ写真は、レーザー加工でこそ行える微細加工を両面テープへ施したものです。
右拡大写真の細かい部分は、∮1mmの丸穴と1mm□穴が2mmピッチで並んでいます。
この両面テープ加工をトムソン型を用いて再現しようとした場合、1mm□穴用のパーツはありませんので特注で作成することになります。
その場合でも3工程以上に分けてのプレス加工を余儀なくされます。
プレス金型での加工が最も適していますが、おそらく40万円以上の費用がかかるものと思われます。
レーザー加工機は図面さえあれば、この加工を即行うことができてしまうのですから大変便利です。
また、上左写真の追加説明ですが、窓部がハーフカットになっていることに気付かれましたでしょうか。
レーザーの強さ、レーザーヘッドが移動する時のスピードを適切に設定することにより実現しています。
今回サンプルを掲載しておりませんが、弱くレーザーを照射することで材料に彫り込みを行うことができます。 さらには表札や名札、アクリルへの彫刻、スペーサーに0.1mmのエアー逃げの穴開けなど、その応用範囲は広く、スリーサプライでも製品化を視野に入れたいろいろなアイデアを試作しているところです。